
2019年4月から私と乙庭副代表の松島ともども師範への道を歩み始めた、草月流生け花のレッスン記録です。^^
(写真:20190910撮影)
季節の変わり目か前週に風邪をこじらせてしまい、病み上がりでやや本調子でなかったのですが、気合いを入れて自由花2作品、教科書に沿った型生け作品の計3作を生けました。
↑20190910のレッスンでの私の自由花2作です。
今回は、先輩の生徒さんから立派なアレカヤシ Dypsis lutescens の葉をいただき、それを主軸に作品を構成してみました。
前回のレッスンから導入された装飾的なガラスの花器がとても気になっており、1作目はその花器の個性を活かすべく生けた自由花。器の醸し出す異彩に負けないよう、アレカヤシの葉で流れを作り大胆さを重視して生けました。与えられた花材にはピンク色の花もあったのですが、本作では甘さを加えたくなかったので、あえてのピンク抜きで。この作品でまず先生から100点をいただきました! ^^
花を生けてしまうとスポットライトの影になってしまい、写真だと器が見えにくいのですが、上写真のような、色みも造形もひねったようなドロっとした流れ・動きを感じさせる独創的な花器です。
1作目の後に教科書に添った型生けを1作し、笠原先生のピアノ生徒さんご自宅で収穫された巨峰をいただき、ちょっと休憩 (光量が少なくて写真がピンボケになってました^^;)
ここでひと息、今日のBGM。この記事を書きながら聞いている音楽をご紹介します。MORELENBAUM2/SAKAMOTO の「 A Day In New York」(2003)。残暑から少し秋の空気が漂い始める頃合いにぴったりかなと思う、都会的洗練とリラックス感のあるボサノヴァアルバムです。
MORELENBAUM2/SAKAMOTOは、坂本龍一さんとJaques&Paula Morelenbaum 夫妻(vc、vo)のユニット。2000〜2003年頃にかけて、本作を含めボサノヴァ創生期の偉大なるアーティスト、アントニオ・カルロス・ジョビン(1927-1994)へのトリビュートアルバムリリースやツアーを行いました。MORELENBAUM2/SAKAMOTO によるジョビントリビュート盤というと、第1作目のアルバム「CASA」(2000)が押しも押されぬ名盤で、私の長年の愛聴盤でもあるのですが、今回は、3作目となる「 A Day In New York」を選んでみました。ピアノとチェロのみのシンプルな伴奏による「CASA」は洗練の極みとも言えますが、ツアー活動なども経てから収録された本作「 A Day In New York」は「A Day In New York」は、ギターやドラムも加わったバンド構成で、同じ楽曲でもより「ノリ」のあるセッションとなっています。慣れ親しんだメンバーで親密にセッションを楽しんでいる雰囲気があり、そういう意味では「CASA」よりもくつろいで聴ける一枚と思います。 ^^
お花レッスンの話に戻ります。
自由花2作目は、今回のお題「面」を表現した作品。アレカヤシの裂けた葉面を前後に3枚一列に生けて、三層の透ける面のレイヤーを作り、そのレイヤーの間に花を生け、奥の方の花を葉の裂け目から透かして見るという趣向の作品です。
この作品はなかなか思った位置に花材が止まらず、制作にやや苦戦したのですが、「半透明の面の重層」というコンセプトを高評価いただき、こちらの作品も100点をいただきました! 頑張った甲斐がありました。^^
(写真:20190910撮影 松島作)
お花の話に戻りまして、同レッスンでの松島の作品がこちら↑。^^
松島の1作目は、花材をフルに使った大きな作品。アレカヤシの大きな葉が作り出す曲線と、それとは違う角度で花々の流れを作り、要素を対照的に魅せています。
自由花2作目は花材を絞り込んで、独創的な器のガラス面とアレカヤシのエキゾチックな葉面、そして花を種類ごとにまとめて色の面に見立てています。^^
レッスン終了後、生けた作品をバラして各自花材を持ち帰り、またお家で別の構成で生け直します。レッスンで作った作品は記録として写真に収めますが、作品の実物を眺められるのは、ほんの少しの間だけなんですね。花を生けていると、「生け花」との出会いというのも一期一会なのだなと感じます。
すでに断たれた命である花を、人の手でもう一度「生かす」。花道とは、美しき弔いの作法なのかもしれませんね。「生きていた」命を扱うという意識でお花に臨むと、作品にも自ずと創作者が込めたチカラが宿っていくように思われる今日この頃です。
「そう、切り取っては加え、また加えては切り取るという行いが痛々しくないのは、花を『生かす』からなのだ」
(中谷美紀 女優 1976 – )
今日の一冊
「女心と秋の空 」(幻冬舎文庫) 中谷美紀(著)
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