
2019年4月から私と乙庭副代表の松島ともども師範への道を歩み始めた、草月流生け花のレッスン記録です。^^
(写真:20191029撮影)
今回は、先生がご用意くださった花材に加え、乙庭からも、今が旬のオーナメンタルグラス類の穂を差し入れさせていただき、秋らしい素材揃えとなりました。レッスンでは、自由花2作と草月流の教科書に添った型生け課題1作の計3作品を生けます。
↑は20191029のレッスンでの私の自由花2作です。
大振りのオレンジ実の枝モノ ツルウメモドキ Celastrus orbiculatus の様態を違った形で生かすようにして2作を構成しました。ちなみに、ツルウメモドキは、葉がウメに似ていることに由来する和名で、実はニシキギ科の植物なんですね。どうりで枝や実を見みても、全くウメっぽくないわけです。^^;
まず1作目は垂れるツルのグネグネとした線と不規則に散りばめられた実の空間性を生かした作品。下垂するツルウメモドキが下への広がりを、垂直線を強調するような グラスの穂で上昇的な高さを演出した、全高でいうと2m超えの大きな作品です(とても縦に長いフォルムのため画面に収まりきりませんでした ^^;)。今回のレッスンで乙庭から差し入れさせていただいた素材は、下記の3種。
パニカム ‘ダラスブルース’ Panicum virgatum ‘Dallas Blues’
ムーレンベルギア ‘ピンクフラミンゴ’ Muhlenbergia ‘Pink Flamingo’
ペニセタム ‘トールテイルズ’ pennisetum orientale ‘Tall tails’
どれもお花やさんには流通しにくい、庭で育てている園芸家特権のオーナメンタル素材です。花材は食材、生け花は出来上がったお料理みたいなものですから、庭で採ったオリジナルの旬な食材を盛り込むと、園芸家としての自分を生け花にも投影できますよね。
自由花2作目は、ツルウメモドキを器には入れず台上に敷き置いて、花器に行けたお花と組み合わせました。たくさんの横枝から立ち上がるオレンジ色の実が、地面からニョキニョキグネグネと群をなして生えてきているような、ちょっとグロテスクさ含みもある作品です。
ハロウィンということで、今回の花材には真っ黒に染色されたキクもあり、オレンジや黄色と対比させて使っています。黒キクの部分だけ漆黒の闇のような翳りを感じさせますね。
今回の2作は、私的にはとても満足度高かったのですが、どちらも少しずつ先生からの手直しが入りまして100点はいただけませんでした。 引き続き精進いたします♪ ^^
ここでひと息、今日のBGM。この記事を書きながら聞いている音楽をご紹介します。アレクサンドル・タロー さん (Alexandre Tharaud)演奏 による「 Concertos italiens」です。内容だけでなく、ジャケ写も含めて秋の気分かな、と。
本アルバムでは、バッハ自身の作曲による「イタリア協奏曲 BWV971」をはじめ、ヴィヴァルディやマルチェロなど、当時のイタリアの作曲家による協奏曲をバッハが鍵盤楽器用に編曲した版が収録されています。 最近、趣味のピアノで、ここにも収録されているマルチェロのオーボエ協奏曲ニ短調 第2楽章 Adagio(BWV974)を練習中で、いろいろな演奏家の盤を聴き比べています。タローさん(なんだか親しみやすい名前^^)盤は、ヴィヴァルディなど原曲が室内楽であるものも含めイタリアンバロックな気分を全編ピアノで味わえます。意外とありそうでなかなかない一枚と思います。
お花レッスンの話に戻ります。続きまして、同レッスンでの松島の作品がこちら↓。^^
今回の松島の自由花2作目は、ツルウメモドキの大胆な造形使いで、どちらも高評価をいただきました。^^
自由花1作目はダークシックな黒い花器を用いて、ツルの特性を活かした曲線使いと妖艶な花の配色を融合させました。こちらの作品で先生から100点をいただきました。^^
2作目はツル枝本来の自然な曲線を、花とのアンバランスな配置で大胆に強調した作品。左に伸びるツルウメモドキに呼応するように右側に1本だけ伸びるチューリップも、作品全体の緊張感を高めていてとても効いてるなと思いました。
「いけばなは絵だという、音楽でも、彫刻でもある」
(「草月50則」より )
今日の一冊
天然日和 (幻冬舎文庫) 石田ゆり子(著)
女優 石田ゆり子さんの2001年春からの約1年間の日記的なエッセイです。あとがきの「なんでもない日常のことを書きたいです。書き続けることによってわかることを知りたいです。」ということばからも分かるように、淡々と日々のことを記しながら、書くことによって、少しずつ、より深いところまで自身と向かい合い、自分とは何かを見出している様子が感じ取れます。女優さんの日常だから、日々のこととはいえ面白いエピソードもたくさんありますし、石田さんらしい柔らかな雰囲気でほっこりと読みやすい中に凛とした芯が感じられて、楽しみながら読み応えもある一冊です。2019年現在の石田さんの素敵な年齢の重ね方から振り返ってみても、なにげない日常を積み重ねた先に作られる人間性の厚みの大切さを感じますね。
私、ACID NATURE 乙庭 太田敦雄の著作本、
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