
2019年9月頃から、かねてより休日の生活習慣メニューに取り入れようを思っていた午前中のお散歩を実践しています。^^
今日は、紅葉の見頃最終週かなと思い、ちょっと足を伸ばして榛名湖までドライブし、湖畔の山道を歩いてきました。
浅瀬を見てみると、水の透明度の高さが分かりますね。観光開発されている舗装エリアは紅葉行楽シーズンの週末とあって観光客も多くにぎわっていましたが、未舗装の林道の方は人も少なく静かな気分でお散歩できました。
晩秋の、ちょっと角が立ってきた肌寒さと紅葉に色づく山の景色や舞い落ちる枯れ葉、かすかな波紋やきらめきを湛える湖面の表情などもとても味わい深く、目や耳に入ってくる枯淡な美しさをじっくり味わいながら、のんびりと歩くひととき。なんだかとても気分が浄化されました。^^
特に、湖面に反射する粒子化した太陽の燦めきや、波紋に映り揺らめく山やボートや木々の様子などは、動画の方がよく伝わると思います。ぜひ↑のインスタ動画でお楽しみください。 ^^
ではここでひと息、今日のBGM。榛名湖へのドライブがてら聴いていた音楽をご紹介します。
晩秋のイメージにまさにぴったりのブラームスの後期ピアノ作品集をヴァレリー・アファナシエフ(Valery Afanassiev)さんの演奏で。
ブラームス の後期作品は、精神性が深く大人な味わいがありますよね。アファナシエフさんの演奏はゆったりとした中に、ほどよい重みと深淵のような思慮を感じる名演。私の中では静謐な湖面に浮かぶ枯れ葉と波紋の風景にまさにぴったりでした。
ちなみにこの名盤を知ったのは、2017年8月に惜しまれつつも閉館してしまったお気に入りのホテル、二期倶楽部さんで、でした。群馬から那須へは、ドライブ小旅行とてはちょうどよい距離感で、日常から離れて極上のリラクゼーションを味わいたいときに宿泊させていただいていました。二期倶楽部さんのメインダイニング「ラ・ブリーズ」でいつもかかっていたのがこのアファナシエフ盤のブラームス 後期作品集です。
あまりにも「ラ・ブリーズ」の空間にマッチした素敵な音楽だったので、スタッフの方に「どなたの演奏盤ですか?」とお訊ねして教えていただきました。ちなみに、「ラ・ブリーズ」でかけているのは、常にこの1枚のみということでした。おもてなしに対するものすごい審美的こだわりと洗練の極みとしての豊かなミニマリズムに感動したのを覚えています。唯一無二の素敵な時間を過ごさせていただいた、本当に思い出深いホテルです。
2015年秋に宿泊した際の記事が↓下記です。 なつかしいな〜 ^^
では、榛名湖畔お散歩の話に戻ります。
自然観察目的での山歩きではないのですが、園芸家だけに個別の植物にも目がいちゃいますね^^
見上げてみると樹木それぞれが個性的な葉の色・形をしていて、複雑な模様のよう。紅葉とひとくくりにいっても、複雑な生態系が織りなす一様相なのだと改めて感じますね。ちょっと寄りの視点を持つことで、得られる情報量も楽しみも倍増します。^^
マユミ Euonymus hamiltonianusのピンク色の実がキレイだな〜とか、
ホオノキ Magnolia obovataの葉って落葉で見てもインパクトあってカッコいい!とか、
空気がキレイな場所ならではの微妙で美しい地衣類の色合いをしみじみ味わったりとか。
マッスな風景としての紅葉の山景色を観賞するだけでなく、葉の一枚一枚とかを細かく見ちゃうのは、やはり趣味・職業上のクセでしょうかね。フィールドワークというほど気合いを入れるわけでもなく、なんとなく注意して自然を観察するくらいが、私にはちょうど心地いいさじ加減かなと感じました^^
巨木を見つけて素直に驚き、ちょっと嬉しくなってしまう感覚をいつまでも忘れたくないですね。
運動不足解消など、合理的なウォーキングお散歩というよりは、のんびりしつつも、少しだけ感覚を澄まして小さな発見を楽しめるお散歩を自分のスタイルにしていけたらなと思いました。^^
「哲学者キルケゴールの一日は、二つのことで占められていた。執筆と散歩だ。(中略)
最高のアイデアが生まれるのは散歩中なので、それを一刻も早く書き留めたくて、
ステッキや傘も置かずに、机の前に立って書き始めることもあった。」
メイソン・カリー著「天才たちの日課」(フィルムアート社刊)より
今日の一冊
天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々
歴史上、クリエイティブな偉業を残した著名な作家、音楽家、芸術家、思想家、発明家など161名の、仕事や食事・趣味など日常的な一日の過ごし方を紹介した一冊。上記引用のキルケゴールをはじめ、ベートーヴェンやフロイト、ダーウィンやカフカなど、多くの偉人たちに共通の日常習慣として散歩が含まれている点がとても興味深いです。また、歴史に名を残す固有の成果を成し遂げたこれらの人々の日常の過ごし方は、際立って個性的なものではなく、むしろルーティンのようにほぼ決まりきった日々の繰り返しだったということも、普遍的な示唆を与えてくれますね。
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