
2019年11月21日発売の書籍「珍奇植物LIFE ビザールプランツと暮らすアイデア」(日本文芸社 刊)に私、ACID NATURE 乙庭 太田敦雄執筆のコラム が掲載されました。^^
「珍奇な植物から珍奇な植栽へ」と題した見開き2ページのコラムで、本書P42~43に掲載されています。珍奇な植物を陳腐にしないためにはどうしたらよいか、という視点で書かせていただきました。
いわゆる「珍奇植物」と呼ばれている植物とそれ以外の植物を区別することを私はあまり好まないので、「珍奇」と「ガーデニング」の境界を取り払って、そこから広がる可能性について述べています。
サブタイトルに「実際に栽培している人たちのリアルな植物ライフ 実例&栽培テクニック満載!」とあるように、レアプランツ実生栽培名人の栽培管理のポイントや使用している用土などんなものなのか、栽培家だから分かる「正しいコノフィツムの管理法」、「ビカクシダ 各原種の栽培のポイント」などなど、実際に栽培している人のみぞ知る、普通の園芸書には載っていないニッチで奥深い有用情報がたくさん掲載されています。
珍奇植物(ビザールプランツ)に関する書籍は、近年多く発売されていますが、プロの栽培家ではなく、本格派アマチュアの方々がどのように植物を育てているかを垣間見ることができ、また掲載各氏の際立った「自分スタイル」を紹介している点でも、一般論では語りきれないリアルでトガった一冊になっていると思います。くわしくはぜひ本書をご覧くださいませ。
私の手元には、執筆者・掲載者向けで、書店発売よりもいち早く見本版が届きました! 発売前の刷りたての本を開く瞬間はいつもワクワクします。一般書店に並ぶ前に読める執筆者特権の喜びを味わっちゃいました ^^
ではここで本日のBGM。この記事を書きながら聴いている1枚をば ^^
トガった一冊発売記念の記事なので、音楽もトガったアーティストの盤を選んでみました。Flying Lotus さんの「Until the Quiet Comes」(2012)です。
偉大なるジャズミュージシャン、ジョン・コルトレーンを親族に持つ1983年カリフォルニア生まれの鬼才音楽プロデューサーにしてDJ。幅広い音楽バックグラウンドを感じさせる、ヒップホップやエレクトロやジャズ、変則ビートやダークなマインドなど、様々な要素が渾然となったカオティックな作風が「未来」を感じさせるアーティストです。ジャンル分けできないほどにゴチャ混ぜな坩堝(るつぼ)から立ち現れる新たな秩序感や、常に攻めの手を緩めない前衛創作の姿勢に勇気付けられています。
本作「Until the Quiet Comes」は、LAアンダーグランドシーンからの出世作となった前作「Cosmogramma」(2010)の、マニフェストのような革命的前衛ビートからさらに一転進化して、仄暗さや静けさも孕んだ世界観を提示した作品。「Cosmogramma」で一躍時の人となり、プレッシャーも強かったであろう中、軸はブラさずに、でも全く新たな方向性を示していく攻めの姿勢がいいですね。Flying Lotus さんのアルバムはどれもコンセプチュアルかつ独創的な名盤揃いですが、私的には、書き物作業時のBGMとしては、この「Until the Quiet Comes」が一番気分かなと思います。
では、「珍奇植物LIFE」の話に戻ります。
発売早々、amazonの「ガーデニングの本」部門 ベストセラー1位となりました! 人生の記念になりますね ^^
さて、本書の内容ですが、私個人的には、北森翔太さんによる「パキポディウムの接ぎ木」が目からウロコだったのと、押尾武さんによるLED照明を用いたハオルシアの屋内栽培の項が、照明だけでなく植物の生態や室内という環境への洞察がたいへん深く、とてもよい刺激をいただきました。
北森さんは、乙庭新社屋と同じ群馬県前橋市在住とのことで、地場産業でもある梨農家の方から教わった接ぎ木技術をパキポディウムの異種接ぎ木に応用しています。元からある技術の新しい使い方。発想自体がとてもイノベイティブで、これは普通の園芸書には載っていない、先を行く情報と思います。まさに「発明的」な着想ですね。
また、乙庭新社屋では、店舗となる1階の照明に、栽培用LED電球も使用しているので、押尾さんの記事もとてもタイムリーで参考になりました。植物栽培用のLED電球は赤+青色(=紫色)光の製品もありますが、紫色の光はかなりインテリア的に支配力が強くて、植物栽培以外のインテリア環境を考えると使うのが難しいと思い、乙庭では↓の栽培用白色電球を採用しています。押尾さんも諸々の考察も踏まえ赤青光LEDは使用していないとのことでした。
ちなみにライティングレールに接続しているソケットはこちらの製品↓。
BRTLX ダクトレール用スポットライト E26口金 – amazon(アマゾン)
点灯するとこんな感じの色合いです。白色というよりは、少し赤みがあって電球色に近い印象です。この部屋の床は、これから紫〜オレンジ〜赤色のグラデーションに彩色されるので、光の色としてはこれでちょうど似合っていいなと思っています。
結局、庭も人生の一部。自分自身を見失わなければ、ずっと唯一無二の存在でいられる。
太田敦雄(植栽家 1970 – )
今日の一冊
野心のすすめ (講談社現代新書) / 林真理子(著)
「大きな飛躍を望んで、新しいことに大胆に取り組もうとする気持ち」という意味での野心を持ち続けることで、より充実した人生を歩んでいける。野心を原動力に、実際に欲しかった人生を手に入れた著者が、自らの実体験を多く混じえて述べています。林真理子さんらしい、楽しく読ませながらも芯のある内容を伝えてくる文章力も痛快で、一気に読めちゃいました。
私も50才目前にして改めて思いますが、「やってしまった後悔は消えるけど、やらなかった後悔は日々大きくなる」とか「野心と努力の両輪がうまくバランスすることで前に進める」とか「気に入らない環境ならば行動して新規巻き返せばよい」など、若いうちに気づいておけばよいことは、実際、若い時にはなかなか気づけないものなんですよね。そんな「最終的に上機嫌な人生をたぐり寄せる超・ポイント」がたくさん詰め込まれています。20代くらいまでの若い世代の方々にぜひ読んでいただきたい一冊ですね。前途に希望や勇気を持てると思います。^^
私、ACID NATURE 乙庭 太田敦雄の著作本、
「刺激的・ガーデンプランツブック」(エフジー武蔵刊)、好評発売中でございます ^^
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