
2019年4月から私と乙庭副代表の松島ともども師範への道を歩み始めた、草月流生け花のレッスン記録です。^^
今回のレッスン日は、昼間、東京にて「ガーデンセラピーコーディネーター1級」資格の講義・試験があり、18:00に試験を終えてから新幹線で群馬へトンボ帰りしてのお花教室参加という強行スケジュールでした。
試験に受かるということだけでなく、資格者として深い理解のもとに知識を活かし応用できるようにならないと資格を持つ意味もないと思うので、テキストも熟読して講義に当たりました。
90ページほどのテキストを、往きの電車で一回通読(インプット)&ライン引き(アウトプット)、講義を聴きながら(インプット)、違う色でさらにライン引き(アウトプット)、そして講義合間の休憩時間に講義の箇所を再読(インプット)、そして試験(アウトプット)…と、当日だけでも、3回インプット&アウトプットしたので、まずは短期記憶としてはかなり強固に脳に叩き込むことができました。
群馬から東京へは、新幹線だと比較的すぐなのですが、乗車時間が短すぎて、ゆっくり読書や勉強ごとができないんですよね。湘南新宿ラインのグリーン車だと、結構まとまった時間が取れ(100分程度)、移動しつつゆったりスペースで静かに思考に打ち込むことができ、なにげにお気に入りです。
↑写真が受講後の私のテキスト。オレンジラインは予習で引いたもの、緑のラインは講義中、重点を置いて説かれた部分です。 そんなこんなで、たぶん試験は満点だと思います。^^
合格することはもとより、この1日で「自分用のテキストに作り、しっかり短期記憶にする」ところまで頑張ろうと思ったので、結構、意志力出し切った感もあり、帰りの電車に乗った時点、かなり脳疲労してのお花レッスンでした。1週間後、1ヶ月後にマーカー部分を中心に再読することで長期記憶に移行できますね。
そして、言語・記憶的なお勉強と、ひらめきや美意識を駆動して創り上げるお花だと、「言語脳」と「感覚脳」みたいに使う脳領域が違うのでしょうね。あるいは、脳のネオフィリアが活性化するのでしょうか。いざお花教室に着いてみたら、試験の脳疲労感も吹っ飛んで、お花の方も楽しく集中し全力出しきれました。^^
いつものレッスンでは、自由花2作と草月流の教科書に添った型生け課題1作の計3作品を生けますが、今回は資格試験の関係で大幅に遅刻しての途中参加だったので、2作品でした。とはいえ、今回お教科書課題がたまたま「季節の植物を使った自由花」だったため、マツや白塗りの枝など「クリスマス〜お正月」気分の素材を使っての自由花2作で教科書課題もクリアーできました。^^)v
↑は20191210のレッスンでの私の自由花2作です。
お正月っぽい雰囲気のマツとクリスマスっぽい赤花(ダリアっぽい花容のキク)、どっちのイベントに焦点を合わせるか決めにくかったため、2作とも、率直に「冬」を感じる白塗りの枝をメインモチーフにし、2作とも白い器を用いて「白」の印象が浮き立つように生けました。
まず1作目は、ややプレーンな白い円筒状の器を使い、白枝の1本を器の縁に逆さに引っ掛け、台の水平面より下に突き出させ根のように見立てると同時に縦方向の長さを出した作品。正面からの写真だと分かりにくいですが、ヤナギの枝が1本、手前に大きく飛び出していて、結構ダイナミックな作品です。
超・余談ですが、上写真の左下棚の絵画が表紙になっている本は、プロコフィエフの「ピアノソナタ6~9番」ブージ&ホークス社版です。笠原先生の教室の、私と同年代の生徒さんで、超難曲 6番「戦争ソナタ」を練習されている方がいて、先日その方の公開レッスンを聴講させていただき、たいへんいい刺激をいただきました 。大人になっても限界突破のチャレンジをできるって素晴らしいです。^^
そして、自由花2作目は、今回おニューで導入された白いガラスの花器を早速使わせていただき、器と白枝を足した白縦線の長さを強調した作品。和洋風どちらとも取れるエレガントな器に似合うように「シュッとした」品の良さが出せるといいな、と考えながら生けました。そこはかとなくお正月を意識した作品です。^^
今回は2作品とも、コンセプトも生け方も攻めの姿勢が高評価をいただき、両方100点をいただきました^^ 朝から晩まで学び詰めのでしたが、やり遂げた感あり、とても充実した1日でした!
ここでひと息、今日のBGM。この記事を書きながら聞いている音楽をご紹介します。先ほどちょろっと話題に出たプロコフィエフのピアノソナタ第6番。大好きなピアニスト イーヴォ・ポゴレリチさん (Ivo Pogorelich)演奏 による「ラヴェル:夜のガスパール、プロコフィエフ:ソナタ第6番」です。
もともとは、夜のガスパールとプロコ6番のカップリングで出ていた盤ですが、その盤は廃盤になってしまったようで、彼がドイツ・グラモフォン社に残した録音全集でご紹介します。原盤の方は、内容はもちろんジャケ写もカッコよくオススメだったのですが、ちょっと残念です。ラヴェルの「夜のガスパール」は、現在でもイーヴォさんがリサイタルで取り上げることも多く、定番的な十八番ですね。プロコフィエフも、とてもイーヴォさんのイメージにぴったりの作曲家と思いますが、録音として残っているのはこの一枚です。それにしてもこの6番の演奏も本当に素晴らしく長年のお気に入りです。
若い頃のイーヴォさんの盤は「超絶技巧と理性に裏打ちされつつ、今にも闇が溢れ出て別世界への扉が開いてしまいそうな、危うくグロテスクな感性」があって、どれも私の人生の中でも貴重な刺激を与えてくれました。
↑でご紹介したのは全集盤ですので、初期の奇才っぷり満点の「ショパン:ピアノソナタ第2番、ピアノ協奏曲第2番」「シューマン:交響的練習曲」なども、ぜひ聴いてみてくださいませ。
ちなみに、2019年、旧・乙庭SHOPがあった高崎市に「高崎芸術劇場」がOPENし、2020年の2月にイーヴォさんの公演が行われます。いままでは毎年サントリーホールまで行っていたのですが、お隣の高崎市で聴けるなんて、最高です!
はい、ではお花レッスンの話に戻ります。
続きまして、同レッスンでの松島の作品がこちら↓。^^
↑インスタ投稿では写真2枚目写真が1作目の作品です。
土を感じさせる器に、与えられた素材をたっぷり盛り込んだ作品。ヤナギなどの枝モノを効果的に使ってダイナミックさを演出しています。
2作目(投稿写真1枚目)は、挿し口が二つある、ちょっと土俗的な雰囲気のある器を用いて、枝モノのダイナミックさと、花や実で流れを感じさせる形状を作り出した作品。こちらの作品が構成力と出来栄え高評価され100点をいただきました! ^^
この春から松島と師範過程を始め半年ちょっと。あっという間に年末も近づいてきました。大人になると、仕事以外で「自分にちょっと厳しく向かい合って」能動的に学ぶことを避けて通りがちですが、現在の自分の能力を理解し、日々少しづつでも成長できるように努力し続けることで、確実に進化していけるなぁ、と実感した一年でした(まだ2019年も半月以上ありますが ^^;)。
1の365乗は1のまま変わりませんが、1日0.1%の成長をすれば、1年で1.001の365乗で、およそ1.44倍の成長ができます。ちなみに1日1%成長だと1.01の365乗で、理論上ではおよそ37.78倍の成長ができるんですよね。と考えると、向上心ひとつで、人というのはいくらでも変わっていけるってことですよね。
甘んじず、諦めずに一歩一歩進みながら生きていきたいなと思いました。^^
「人間の脳は例外なく限界がない。つまり、誰もがどんなことにもチャレンジできる、無限の可能性を秘めているのです。」
(茂木健一郎 脳科学者、著述家 1962 – )
今日の一冊
脳リミットのはずし方 (河出書房新社刊) 茂木健一郎(著)
ここ数年、自分の脳や気持ちのコンディションを整え、人間としての性能を高めていきたいなというのが、私自身の大きな関心事なのですが、最新の脳科学知見はその問いに多くの答えやヒントを与えてくれますね。茂木健一郎さんの著作は、本当に頭のいい人の文章というのでしょうか。おそらくとても学術的で難しい内容のことも、幅広い読者層に過不足なく分かりやすいように解説されていて、且つ前向きな希望を与えてくれて、まさに「ためになり」ますね。2019年12月は、本書を手始めに茂木さんの著作をいろいろ読み漁っています。^^
私、ACID NATURE 乙庭 太田敦雄の著作本、
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