
毎年のことですが、年が明けたと思ったらあっという間に一年が過ぎ、「あっ、もう師走っ!」と焦るも束の間、あれよあれよという間に年末年始休みに突入、大晦日になってしまうものですね。^^;
2019年も乙庭をご愛顧いただき、本当にありがとうございました!^^
乙庭SHOPでは、一年の感謝の気持ちを込めまして、2019年12月31日18:00〜2020年1月3日18:00まで、ほぼ全品20%OFFの年末年始特別感謝セールを行っております。^^
通常のセール時よりもお買い得価格となっております。ぜひ奮ってご活用くださいませ^^
↑プライベートでも仲良くしていただいている経営者お友達との忘年会。^^
乙庭の会社としては12月29日から〜1月3日まで年末年始休みをいただいておりますが、その間の仕事をためこんでしまうと、年始が忙しくなりすぎるのが目に見えているので^^; 、私と副代表の松島は、のんびりマイペースで年末年始ライフを楽しみつつ、毎日少しずつお仕事しております。^^
2019年は、乙庭SHOPも高崎市からお隣の前橋市に引っ越しをしたりと、変化の大きな年でした。
移転先の前橋市元総社町は、現在再開発のための区画整理がまさに進行中の地域です。諸々の制限があって新規で駐車場を借りるのが難しく、現状、店舗前の狭い駐車場だけでお客さまのご来店を受け入れる体制が整わないのですが、店舗近くに駐車場が確保できましたら実店舗営業も再開したいと考えております。今のところ具体的な時期は定まらないのですが、楽しみにお待ちいただければ幸いです。
オンラインショップの方は、2019年も引き続き積極的に新しい・面白い植物をじゃんじゃんご紹介していきたいと思っております ^^
私の実家をフルリノベーションした乙庭新社屋は、私が建築・植栽などを総合的にプロデュースした、私にとっては人生でも最も個人的でもあり意義深いプロジェクトとなりました。
店舗営業をしながら、本計画の最重要ポイントのひとつである、抽象絵画的な床の塗装(作画)を進めております。建築というよりは、アートとか文学的な要素も含めた総合芸術的な作品の様相を呈してきました。ので、淀みなく進むような感じではなく、サグラダファミリア聖堂のように、バランスなどを確かめながらのゆっくりした進捗ですが、建築界に一石を投じるような、批評性のある作品になると思います。
2018年末の時点では、↓のように足場が組まれただけの状態でしたので、これよりは相当進んでますね。どうぞご安心くださいませ (いつかは完成するでしょう) ^^;
プロジェクトの内容や進捗についても建築雑誌を中心にいろんなメディアの方から興味を持っていただき、建築学生の頃から憧れだった名門建築雑誌「GA HOUSES」「GA JAPAN」にも乙庭新社屋プロジェクトを取り上げていただきました。
2020年代、新しい10年を迎えるにあたり、人生の記念になる一年になりました。おそらく、内装と屋外の植栽完成時には、また取材していただけると思うので、次の新しい10年も、植物や植栽を軸に、引き続き新しい道を切り拓いていけそうです。
私個人としては、2019年はいろんな意味で「学び」を大切にした一年でした。ただ「カッコいい」とか「いい感じ」とかいう「見映え」や「見栄(みえ)」の次元で、私自身が植物や植栽に接することに、もはやあまり意味がないと思えてきたんですね。もっと深く心に刺さったり、波紋を起こすようなことがしたいというか。
↑2018年末 建築賞SDレビューの大賞「鹿島賞」を受賞した、建築家 武田清明さんの独立デビュー作「6つの小さな離れの家」を紹介したyoutube動画。乙庭が植栽設計を担当しました。施主夫妻が大切にしてきた既存の樹木を一本も足さず引かず、「何事もなかったかのように」全体を移植再構成して、術前と全く違うんだけど、全く違和感のない空間に創り換えました。ツツジやモミジ、ナンテンなど、日本庭園に普通に見られる樹木ばかりで構成された植栽空間なので、一瞬とても乙庭らしくなく感じられるかもしれませんが、建築的に見てもとてもコンセプチュアルに攻めた植栽計画です。武田さんと現在計画中の次の植栽案件も、これとは全く違う方向性で激・攻めた建築&植栽の総合計画です。2020年秋頃竣工の予定!乞うご期待 ^^
また、生産者や市場に行くとしょっちゅう訊かれる「次はどんな植物がキますかね?」とか「どんな植物が売れそうですか?」といった、植物を安易に「流行」とか「お金」という要素に変換して捉える見方に、以前にもまして違和感を覚えるようになってきたという心境の変化もあります。
まぁ、仕事なので、商業的な売上や時流に取り残されないようにすることも大切なのですが、同業者を見ていても、「以前は植物が大好きだった人」が「繁栄に取り憑かれ衰退に怯える商人」に変貌していく様を目にすることもよくあり、商業的な成功を主目的にするのは、自分にとってはあまり幸せなことではないな、というのが今の私の気持ちです。
一年と同じように、一生もあっという間に過ぎてしまうと思うので、もっと「自分にしかできないこと」で世界に意味あることを発していきたい、「自分らしく生きられたな」と思える毎日を、薄紙を一枚一枚積み重ねていくようにして、厚みのある人生を築いていきたいと思うようになりました。
あるいは「商業」というジャンルを自身の主要な拠点にしていることと「なりたい自分」の方向性との間に矛盾が生じているのかもしれません。
↑2017年にデザインさせていただいた植栽。荒涼のメタファーとしての割栗石敷きや日本の伝統園芸植物やオージープランツも分け隔てなくいったんゴチャ混ぜにするけど、結果としては「なぜか統制が取れてる」という、私なりの植栽ボキャブラリーを集約できた案件でした。
建築とかお墓の基礎に使う「基材」である割栗石を「仕上げ」として使う語法は、私が使い始めた2010年頃には他では全く見ませんでしたが、現在では普通によく見るようになりましたよね。
そんな感じで、おそらく「カッコいい」とか「じゃんじゃん売れる」植物については、これからも他の誰かが次々と流布・発信してくれると思うんです。
それよりも、私にしかできないことが他にあって、それを大切にしたいなと思っています。それは「一見つながりがないように見える植物同士や、一見して別のジャンルと思えるものと植物つなぎ合わせて新しい視野を拓く能力」だと感じています。前出の武田さんの案件みたいなアイデアは、建築家でも造園家でも考えられなくて、両方にまたがっている私だからこそ提案できる視座なのかなと思いました。
私がいろんなジャンルのことをつなげることによって、園芸や植物の業界渦中にいる人たちがそこからなにかまた新しい気づきを得られるかもしれないし、園芸や植物好きな皆さんの「飽かず楽しく意味のある」人生に、ちょっとしたチカラや勇気を与えられるのではないかな、と。
↑写真は生け花のレッスンの際、先生がご用意くださった花材に、その日の乙庭のメンテ仕事で出たグラスの穂やレプトスペルマムの枝を追加で提供させていただいた回のお花。生徒みなさん、普段使わない素材が加わったことで楽しんでくださいました。私にとってみればいつも見ているムーレンベルギア ピンクフラミンゴやパニカム ダラスブルースのダイナミックな穂も、生け花素材としては流通がないので、新鮮に感じられるのですね。ちょっと変化が加わっただけですが、なにげない日常が創造的で楽しいものに変わりますね。
たぶん、側(はた)から見てもかなり好奇心旺盛で直観的にやりたいように生きている私ではあります。が、その私自身の性質を、他の人たちの人生の楽しみや品や質の向上のお役に立てる方向で活用したいと思っています。
↑写真。脳の楽しい鍛錬のために始めた趣味のピアノも、ご縁があってピアニスト笠原智廣先生のアカデミー門下生となり、いつの間にやらなんだか本格的な感じになってきまして^^; 、2019年末には、発表会に向けての「アー写撮影」に臨みました(49才のピアノ3年生 ^^;)。数年前だったら想像も付かなかった人生の成り行きです。尽きぬ好奇心って、ある意味スゴいですね。^^;
そういった諸々の心境変化もあり、「自分の世界を広げて、そしてゴチャ混ぜにしていく ^^;」ために2019年は草月流生け花の師範過程に入門したり、庭は植物を通じて健やかな心身のあり方を提案していく「ガーデンセラピーコーディネーター」の1級資格を取得したりしました。
引き続き2020年以降も「厳正なる入会審査のある」ガーデンデザイナー協会への入会や、その他の資格試験など、引き続き楽しみながら学びを深めて、いったん私の坩堝に放り込んだそれらの知見をひっかき回して統合し、乙庭からの新しい発信に還流させて、螺旋的な進化をしていきたいと思っています。イノベーションってそういうことですよね。^^
2019年を振り返って見ると、2018年まではやや直線的に中期・長期の目標を目指す進路を取っていたのですが、航海に例えていうなら、2019年はその航路から「ちょっと人生の舵を切った」一年でした。真っ直ぐに目的地を目指すのではなく、少し停泊して見聞を深めたり、もっといえば目的地を変えることさえも厭わないと思うようになりました。舳先の方向を少し変えることだけでも、その先、辿り着くのは随分と違う場所になりますよね。
目的地を目的化する旅の仕方をちょっとゆるめて、旅の道程を楽しんでいきたいと思います。^^
「美しいものを見つける為に私たちは世界中を旅行するが、
自らも美しいものを携えて行かねば、それは見つからないだろう。」
ラルフ・ウォルドー・エマソン(Ralph Waldo Emerson, 1803 – 1882 )
今日の一冊。
[超訳]エマソンの「自己信頼」(PHP研究所刊)
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