
2019年7月に、乙庭は、以前の店舗があった群馬県高崎市から、お隣の前橋市にある、私の実家をフルリノベーションした新社屋に引っ越しました。新社屋1階が乙庭SHOP兼オフィス、2階が私の住居兼乙庭のエグゼクティブオフィスフロアー、3階が私のプライベートスペースになっています。
新社屋では植物のことだけでなく、植物に関連した生活スタイルや、庭や建築・インテリアなど空間的なこと、健康や知性につながる生活習慣のことなどなど、いろいろ書いています。
今回は、1月のお買い物アイテム、ネブライザー式アロマディフューザーの続編です。
ネブライザー式アロマディフューザー、とてもアロマ拡散効果が高く、気に入っているのですが、すでに調香されている市販のミックスオイルを使って運用すると、自分オリジナルの香りを楽しめないのと、毎回オイルをボトル買いして直付けしているとランニングコストがかなり割高になります。
そこで、私なりに工夫して、お気に入りの精油を数本常備しておけば、日々、自分の気分や体調に合わせて調香でき、ランニングコストを抑えて日常使いしやすいエッセンシャルオイルレシピを考案し、自分仕様にカスタマイズした形で利用しています。
そのレシピで購入後は問題なく使用できているので、私が実践している方法について書いてみたいと思います。あくまで私のオリジナル実験レシピなのでご参考まで。自分だけの香り空間を楽しみたいなと思っている方々へ、ヒントになれれば幸いです。
実際、私自身が試してみて、半月程度、全く問題なく快適に使えていますが、メーカーが推奨する使い方からは逸脱している部分もあります。実際に試す場合は自己責任でお願いいたします。ディフューザー故障などについては、一切責任負いませんのでご了承ください。

そして、上写真が本品の取扱説明書の抜粋です。
ピンクのマーカー部分、「エッセンシャルオイルは水溶性のものを使用してください」とありますが、そもそも原液のエッセンシャルオイル(精油)は、厳密にいうと「油」ではないですが、性質的には親油性・脂溶性なので、文章自体に矛盾があるように思え、ここでちょっと引っかかります。それに続いて無水エタノールで精油を希釈してもよい旨が記載されています。エタノールは水溶性で、かつ精油も溶けるので、エタノール希釈した精油のことを「水溶性のエッセンシャルオイル」と言いたいのかな、ということになりますが、写真の取扱説明文では、一般の方には理解しにくいと思いました。

そして、希釈倍率の エタノール:精油=1 : 1は、かなり濃いです。本品に付属のボトルは10mlですが、半分の5mlの精油を1回で使用するとなると、たとえば、ごく一般的に人気の高いベルガモットやゼラニウムでも10ml入り瓶で¥500~1000くらいしますから、1瓶を2回で使ってしまう計算です。
ちなみにエタノールと精油 1:1で希釈して試してみたところ、揮発がとても早く、3時間程度で10ml使いきってしまいました。乙庭では、1日4時間程度ディフューザーを稼働させるので、1日で精油代¥500前後かかる計算になります。価値観は人それぞれですが、私個人としては毎日続ける固定費としてはコストフルと思いました。

続いて、水色のマーカー部分、「故障の原因になるので精油に水を混ぜないでください」の一文。上で「水溶性のエッセンシャルオイルを使用してください」といいつつ「水を混ぜないで」といわれると、一瞬「どうしたらいいの?」って感じになりますよね。精油を水で直で希釈すると、脂溶性の精油は溶けないで分離してしまうため、上澄みの濃い精油がノズル詰まりの原因になるということなんですよね。でも、この取扱い書の文面だけでは、とても矛盾しているように感じられてしまいます。
なので、精油をいったんエタノールで希釈し、それを水でさらに希釈して試してみることにしました。分量はかなり違いますが、手順としては古典的なオーデコロンの作り方にヒントを得ています。少し水を加えることで、エタノールだけで希釈したときよりも格段に液減りのスピードが下がり、香りを保ちつつ、長時間楽しめるようになりました。いろいろ分量バランスを試した結果、現時点では下記のレシピで使用しています。ご参考になれば幸いです。
※メーカー推奨ではない使用法になるので実際お試しの場合は自己責任にてお願いいたします。

アイスランドのポストクラシカル・あるいはエレクトロニカの作曲家、オーラヴル・アルナルズさん Ólafur Arnalds)のアルバム「Re:Member」(2018)とそこからのシングル2枚「Re:Member – Choir Versions」(2019)、「Re:Member – string quartets」(2019)をひとつのプレイリストにしてシャッフル再生しています。
【収録曲】(アルバム「Re:member」)
01. re:member
02. unfold
03. saman
04. brot
05. inconsist
06. they sink
07. ypsilon
08. partial
09. momentary
10. undir
11. ekki hugsa
12. nyepi


では、ネブライザー式アロマディフューザーの話に戻ります。
前半では、水溶性のエッセンシャルオイルの配合を書きましたが、さらに気になるのが香りの内容ですよね。私は日々の気分や体調に合わせて毎回調合を変えているので、固定の調合のレシピはなく、その都度オリジナルレシピを考えるのも楽しみのひとつにしているのですが、とはいえ、何かしら実例があった方が取っ掛かりとしてはイメージしやすいと思うので、ある日の乙庭調香レシピを2例ご紹介したいと思います。^^



「過去のアイデアなり解決法を、目の前の問題と結びつけてアレンジすること。
そいうった柔軟性こそがアイデア力のある人、ない人の大きな分かれ道だと思います。」
(中野信子 認知神経科学者、脳科学者 1975年 – )
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