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【大人からのピアノ】2020手がけ曲 ドビュッシー 「版画」

アラフォーから独学で数年練習するも、なかなか上達せず一念発起!ゼロベースから始めた初心者ながら、2018年末から(勇気を振り絞って^^;)ピアニストの笠原智廣先生のピアノアカデミーに入門、自分なりに日々頑張っている大人ピアノの練習記録です。

決して上手とはいえませんが、ピアノを始めたいけどなかなか踏み出せない大人初心者の方に、ちょっとした勇気やヒントになれればと思い、書いています。^^

2020年は、2年に一度のアカデミーの門下生演奏会があり、激ウマな生徒さんたちに紛れて、私も(ちゃっかり ^^;)参加させていただきました。コロナ禍が騒がれ始めた3月の開催でしたが、安全に十分配慮した上でのクローズな形での発表会となりました。

会場は2019年に竣工したばかりの高崎芸術劇場の音楽ホール!ピアノを始めた頃からは想像もできないような大舞台です。演目も、一生弾けそうもないと思っていた憧れの楽曲 ドビュッシー 「版画」から第一曲「塔」と第三曲「雨の庭」を弾かせていただきました。

 

↓芸術劇場でのリハーサル演奏です

 

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どちらも私の実力からするとたいへん背伸びした選曲ですし、演奏自体もまだまだ未熟でお恥ずかしい限りですが、他の楽曲も並行で練習しつつ1年かけてなんとか発表会の舞台に乗せるところまで頑張りました ^^

「版画」は、1903年に出版されたドビュッシー中期の代表作のひとつです。ドビュッシーが1889年パリ万博で見聞したガムラン音楽に触発されて書かれたいわれる、東洋的なムードを湛える第一曲「塔」。スペインの作曲家ファリャが、「1小節たりともスペイン民謡からは借用されていないにもかかわらず、作品全体が、ほとんどの細部において、スペインを見事に描き切っている」と評した、イスラムの香りもする南スペインのエキゾティシズムを漂わせる第二曲「グラナダの夕べ」。そして、「もう森へは行かない」「眠れよい子」という2つのフランス童謡のモチーフを引用して、フランスのカラッとした庭に降る雨や風や雲、陽光の諸相を描き出した第三曲「雨の庭」からなる曲集です。

3月の発表会で「塔」「雨の庭」はいったん完成ということで、2020年春からは「版画」全曲コンプリートに向けて「グラナダの夕べ」の練習にはげみました。

↑レッスン後の「グラナダ」の楽譜。たいっへんキタナいですね〜 ^^;  2段目、5小節目から現れる右手親指で奏でられる#ドのハバネラのリズム(カルメンのターンタタンタンってヤツですね)、「覚醒してないと聞こえない秒針のように気にならない音」という書き込みがあります(書いた私本人にしか読めないキタナい字 ^^;)。

「グラナダ」は3曲の中でもゆったりとしたテンポで全体的に静かな雰囲気もあり、一瞬「他の2曲と比べると簡単かな?」という気がするのですが、ところがどっこいで、私の体感難易度的には「グラナダの夕べ」が一番難しく感じられました。 ^^;

↑聴いた感じだととてもゆったりしているのに、弾いてる本人はなにげに大忙しのラスト部分。音が広範囲に離れていて、どの音をどちらの手のどの指で弾くのか読解が難しい箇所です。

「版画」全3曲とも相当深いですが、「グラナダ」はこれまで手がけた曲の中でもかなり深淵度がヤバかったのですが ^^; 、それだけに曲を理解しながら弾けるようになるにつれ深みが愉悦感にかわる超スルメ曲でもありました。あまりにも難しくて一時は断念しようかとも思ったのですが、努力の甲斐あって、2020年末には、なんとか発表の場に乗せることができました。

 

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私が感じた「グラナダ」の難しさのポイントとしては、終始続く分厚い和音の連続とそれらの音の遠近感やレイヤー感の描き出しにあると感じました。つかみ難い和音の連続をハバネラのリズムをキープしながら多くの部分でppで弾きつつ(厚い和音を弱く弾くのが難しい)、同時にスペイン的な断片的印象をちりばめながら色彩感・情景感を出していかなくてはいけないのでなかなかアレなんですが、細かく書くととても長くなるので、また記事を改めて書きたいと思います。^^

というわけで2020年内で、いったんは「版画」全曲を舞台で発表でき、私個人としてはまさに快挙!

うれしい限りです ^^

とはいえ、まだまだ演奏自体が未熟なのも確かです。笠原先生の下でピアノを学び始めてから、自身の「レパートリーを作る」意識が強くなりました。「版画」は今後も引き続き研鑽を重ねて、私のレパートリーとして磨きをかけていきたいと思っています。^^

 

前段で私のお耳汚し演奏を連発してしまいましたので、^^;

ここでみなさまの耳のお浄めもかねて今日のBGMを。今回の本題であるドビュッシー「版画」の、私が一番参考によく聴いた ジャック・ルヴィエ(Jacques Rouvier 1947 -)さん盤です。

 

ドビュッシー「版画」の名盤は数多くありますが、自分が演奏するに当たって注意深く聴き比べてみると、意外と演奏家の味が濃いものも多いなと思いました。個人的に参照盤として最もスタンダード且つ洗練されていて上質と思ったのが↑のルヴィエさん盤とパスカル・ロジェさんの盤でした。全集通してとてもハイクオリティな好演と思います ^^

 

はい、ではピアノレッスンの話に戻ります。 ^^

これから版画を学習される方は、私が使用した楽譜なども気になるところですよね。

 

私は、「版画」を最初に出版したデュラン社の原典版をコピーし、それを土台にして書き込みを加えていきました。しかし、ナマの状態のデュラン版は、ドビュッシー自身が記入した以外のペダル指示や運指は書かれていないので、そこから読み解いて演奏を作り上げていくのはかなりタイヘンです。

 

そこで安川加寿子先生校注による音楽之友社版も併用し、そのペダルや運指記号などを書き写してレッスンに使用しました。安川版はデュラン版を底本にしているので、安川版だけ持っていれば用が足りるといえばそれまでなのですが、私的にはまっさらなデュラン版に校訂版の指示やレッスンで先生からいただいたアドバイスなどを書き写すことで、曲の仔細な要素が自分の中に入ってくるように感じられるので、原典版とよく選んだ校訂版を併用しています。

とはいえ、デュラン版て結構高価でもあるので、どれか一冊に絞るというのであれば、演奏上のアドバイスも記載されていて学び易い安川版がファーストチョイスとしてはよいのではないでしょうか。安川版は、冒頭の「演奏について」の部分に演奏上の重要な示唆が書かれていますので、必ずそこもチェックするとよいですよ ^^

 

 

あと、副読本として、↑の中井正子先生による「ドビュッシー ピアノ全作品演奏ハンドブック」も、詳しい楽曲解説や演奏の手引きが書かれていて、多いに参考にしています。

 

「版画」を学習していく過程では、笠原先生だけでなく、外部講師でいらっしゃる複数のピアニストの先生からも、弾きにくい箇所の練習方法やテクニック、細かい表現についていろいろ教えていただきました。

独学からスタートしてピアノを学んでいる私の視点からすると、ドビュッシーの中期以降の作品に関しては、楽譜には書いていない独特のタッチや弾き方を要求される部分も多いです。楽譜だけを頼りに独学で果たして「版画」を仕上げられただろうか?と振り返ってみると、私には不可能だったろうと思います。やはり、クラシック音楽は奥が深いです。良い先生についてレッスンを受けながら学ぶ方が最良の道と改めて思いました。

 

「ドビュッシーは様式を作らなかった。彼は様式・理論性・一般的な感覚の不在を開拓した」

(カミーユ・サン=サーンス 作曲家  1835– 1921 )

 

今日の一冊

大作曲家たちの履歴書(下)」(中央公論新社刊) 三枝 成彰(著)

 



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