
今回は、冬~春に露出する荒々しい枝ぶりがとてもカッコよく、超・乙庭好みの樹木、ポンキルス・トリフォリアタ・モンストロサ(=雲竜カラタチ) Poncirus trifoliata var. monstrosa をご紹介します(写真:全て20140413~14)
雲竜カラタチは、グネグネと激しく曲がりくねる枝姿と鉤爪のような豪棘が織り成す荒々しい姿がとてもカッコいい種です。カラタチから連想する昭和期の生垣用樹木みたいな野暮ったいイメージとはかけ離れた、不穏でアーティスティックな雰囲気漂う植物ですよね。
カラタチの木は枝が木肌色にならず、深い緑色を保つのもなにげに観賞のポイントですね。初夏~秋の間は葉が茂り枝の造形美が隠れがちなので、常緑の枝が露出する冬~春先を観賞ピーク期ととらえるとよいでしょう。
乙庭では、本種の緑色の凶暴枝&冬に色づく黄色い真ん丸の実とコルヌス アルバ ‘オーレア’ Cornus alba ‘Aurea’ の冬の赤枝を組合わせています。コルヌスの黄金葉の芽吹きと緑の雲竜枝との対比もなかなかGOODです。
(写真右上より時計回りに)
ポンキルス・トリフォリアタ・モンストロサ (=雲竜カラタチ) Poncirus trifoliata var. monstrosa
ソルバリア (=ホザキナナカマド) セム SorbSorbaria sorbifolia ‘Sem’
パエオニア ブラックビューティ Paeonia lactiflora ‘Black Beauty’
ラゲルストロエミア (=サルスベリ) モニンプ Lagerstroemia indica ‘Monimp’
何かの新しいものをはじめて観察することではなく、古いもの、古くから知られていたもの、
あるいは誰の目にもふれていたが見逃されていたものを新しいもののように観察することが真に独創的な頭脳の証拠である。
フリードリヒ・ニーチェ(Friedrich Nietzsche 1844 – 1900)